「打ち込めるもの」 株式会社LIG 副社長 吉原ゴウさんのお話 -

義務教育が終わって

僕自身はですね、受験とかそういうのとはほど遠くてですね、まず中学しか出てないんですね。中学卒業して、そのまま働きに出て、というかプー太郎してて学校自体いやで、勉強が大っ嫌いで、まあどうですかね、子供ならみんな思うかもしれないけど、「じゃあ勉強したところでなんになるの?、でそれでじゃあ将来どう影響するのって」っていうのをよく考えず、まあ勉強嫌いだったんで、もう義務教育終わったらやめようっていうので中学卒業してやめたんですよね。でそれから色々な職を経験して働いていたんですけれど、ウェブデザインの勉強っていうか、ものを作るのが好きだったので、20のときですかね、ウェブっていう世界を知って面白いなって。

 

どういういきさつでウェブの世界を知られたんですか?

えーっと、仲間内で面白い動画を撮ってインターネットにアップしてそれで盛り上がって、みたいな事をやっていたんですね。なんて事はないですけどまあ友達に火をつけたりとか、水の中泳がせてみたりとか、そんなような事をね、インターネットにアップしてとかそんな事をしていたんですよね。それでそこから自分のホームページを持ちたいなってホームページ作らなきゃってなって作る為の勉強をするんですよね。パソコンの使い方も全然分からないけれど、やっていくなかでどんどんのめり込んでいって。基本趣味から始まってそこから独立して、会社を起こして、今に至るって言う感じですね。基本的には自分のやりたい事、楽しめる事がベースで物事をやっていきたいなっていうふうに僕自身は思っていて。で大人になってからの方が勉強してますよね。すごく必要で。
例えば僕自身は高校も大学も行っていなくてまわりと比べると知らない事がたくさんあって、特に苦手だったのが数学と英語だったんですけど、数学は本当に今でもすごく苦手で、よくわからなくて、でも経営をやっていれば当然決算書を見なければならないし、とにかく数字を読まなきゃいけないんですよ。じゃあその時にどういった事が必要かというと四則演算が出来ればいいなと、それ以外は必要な時に学べばいいなと。あっでも%を出す力は必要でしたね。割合を出すのはとても使いますよね。まあ未だに良く分からないですけれど。まあだから数学は大切ですよね、ある程度は。なので基本的には学びたい時に学べばいいんじゃないかなっていうのが僕のスタンスで。必要だと思って学ぶのが一番身に着くなって。で英語にしてもそうでした。荒井さんもそうだと思うんですけど、英語が好きだからずっと学んでいるんですよね。やっぱり人間好きな事には打ち込めると思うので。でもただ、ベースとなる勉強、たとえば読み書きっていうのが出来なかったらほとんどの勉強が出来ないので、ベースが無いと自分が興味を持った事に対して何かをするっていう時に足かせになると思うんですよ。なので小学校、中学校、高校、大学での勉強ってそのベースになるところだと思うんですね。そこをしっかりやっていたほうが良いというかなにか将来やりたいっていった時に可能性は広がると思うんですね。僕はそれが義務教育までで終わっていますけれど。まあ何とかなっているかな。
就職とかの話をすると中学卒業とか高校卒業とかだと仕事は見つかりにくいじゃないですか。

打ち込めるものがあればプロフェッショナルになれる。

何かしらあるとは思いますが。でもそういうのをふまえて本気で打ち込めるものがあればなにかのプロフェッショナルになる事は出来るかなと思います。好きな事があれば。好きな事が無ければある程度ベースの勉強はしといた方がいいかなって思います。そのなかで好きな事を見つけていったらいいんじゃないかなと思います。英語だって話せたら、話せる人が増えるじゃないですか。それって可能性広がりますよね。でも英語の勉強してるときってそもそも使おうって言う前提が無いですよね。使う機会も無いですし、

●必要ないですよね。

その通り。その状況で勉強したと行っても先には進まないかなと、やっぱり使ってなんぼかなって思うんですよね。

 

資格って?

資格とかもそうで、よくウェブデザイナーになる為にはどんな資格が必要ですかっていう質問を受けるんですけど、当然資格なんて無くたっていいし、資格なんて民間のも数に入れれば腐るほどあるんですよ。資格を取る為には勉強が必要ですし、目安にもなるんですが、じゃあその資格があれば仕事ができるのか、就職できるのかというとそんな事もなくて、大事なのはその勉強で得たものを使って「あなたは何が出来るか」、「何が作れるのかってこと」なんですよ。もしクリエーターという職種に就くのであればいくら資格を取っていようと、一つ飛び出たものがある方が良いわけですよ。そこを勘違いしている学生が多いのかなって思うんですよ。弁護士や医者っていうようなそういう資格が無いとそもそも開業できないとかっていうのはもちろん別ですけど。そう考えるとやっぱりやってみる、動いたみる方が良いよねっていう話ですよね。やりたい事はやったら良いと思いますし、やり続けていく事で周りに認めてくれる人も増えてきますしね。

 

英語は情報にアクセスする速さを高める

IT業界にいてすごく思うのは英語が出来る人って言うのはすごく有利だなということです。読み書きが出来る人、特に読みが出来る人っていうのは海外の参考サイトとか資料とか読む事が出来るじゃないですか。

●例えばteccrunchとかですよね。

僕読むのがすっごい苦手なんですよね。でも原文が読める人ってすごく強くて。僕は英文見ると眠くなってしまうんですけれど。ウェブデザイナーとかプログラマーで英文読めたらすごく便利だなーと思うんですよ。

私自身が英文の記事などを読んでいる時に感じることは英語ができると言う事は「情報」にアクセスする速さを高めるなと思っていて、それがITの世界は顕著だなと感じるんですよね。

その通りですね。mixiとかも海外にあったサイトを日本用に上手く変えた良い形ですよね。もちろん日本には日本特有の商習慣があってローカライズするってとても大切でアメリカやヨーロッパで上手く行ったビジネスをいち早く日本版を作っちゃうというのはすごくっていう流れはすごくあるんですけど、そこで大切なのはそういう情報をキャッチする能力でそれが速ければ速いほどより可能性が広がりますよね。なので学生さん達に言いたいのは読み書き位は出来た方がすげー便利だよって思うし、本を読んだら良いと思うってことですね。

受験勉強ってそういう点ですごい良いなって思うんですよ。でも本質的じゃ無いなとも思うんですよ。受験を目標にするとどうしても受験が終わると勉強したものを忘れちゃうじゃないですか。わからないですど。もったいないですよね。好きでも嫌いでもどうせ同じ時間を費やすなら後にまで残る方やりかたのほうが良いじゃないですか。

 

自分に合った勉強方法で「長所」を伸ばす

興味を持つ分野って人それぞれだと思うんです。僕は映画が好きなんで映画を見ながら英語に触れるって言うのがすごく性に合ってるんですけど、海外のニュースサイトをネットでみてるとどうしても眠くなっちゃうんですよね。そのときやっぱり向いてねーなって思うんですよね。でも外国人と話したり、お酒を飲みにいったりするのは好きなんですよね。だから先生の言ったやり方だけじゃなく、自分に合ったやり方を見つけられたら「勉強」に対するハードルはすごい下がるなって思うんですよね。自分はたまたま学校教育って言うのは向いてないなと思って中学まででやめたんですけれど、みんなと同じペースでやっていくのも好きじゃなかったし、嫌いな事もやらなきゃいけないじゃないですか。だから嫌いな事をやるよりも好きな事を徹底的に延ばしていった方が良いですよね。
僕はもともとデザイナーなんですけどまえにフラッシュをやろうと思ったんですけど放物線を描く動作だったり、円を描く動作を表現するときってどうしても数学のsin、cos、tanっていうようなめちゃくちゃ数学的な知識がプログラミングのなかで盛り込まれてるんでもうさっぱり分からないんですよね。そこはやっぱり基礎学力が無いからすごい大変で諦めたんですけど。楽しかったんですよ。楽しかったんだけど、自分にはハードルが高すぎたなと思って、うーんって考えて、もっと楽しい事を探そうと思ったんですよね。

 

進路選択とその不安、生き方のスタンス

今までお話を伺って、普通ならもっと不安になるんじゃないかなと思うところが随所にあるのですが。例えば、中学のときに勉強は自分に向いていないから俺は選択しないぞっていう決断ってなかなか出来ない事ですよね。

周りからはめっちゃ止められましたよ。

その時に自分の気持ちに忠実に従えたのはなぜですか。

いやぁなにか明確な意志があってというよりも基本的には逃げの姿勢ですよね。楽をしたいとか今でもそうなんですけど、楽しい事だけして生きていきたいとかっていうようなスタンスは今でもありますね。ただ僕が常に考えるのは「楽をする為に何を頑張るのか。」っていうことです。僕は楽をする為の努力は徹底的にできるんですけれど、無駄な努力はしたくないんですよ。ただがむしゃらに頑張って未来が見えませんっていうのはあんまり好きじゃなくて、自分が頑張った事で自分が楽になるんなら全然頑張れるなって。

それはどの点での「楽」さに対して今一生懸命頑張れるんですか?

例えば会社の立ち上げとかの話だと、仕事は一人でも出来るんですよ。でも一人でやっているとずっと業務をやらなきゃいけないんですよね。でも人を育てていくといずれその人に任せられるようになる。もちろんその間はめちゃくちゃに大変なんですけれど、自分の事をやって、その人のフォローもして、でもそうする事で今こうして話をする時間がとれたり、もっと楽しい事を考えたりできるじゃないですか。

想像できる先が楽かどうかということですか。

そうですね。
なんだか打算的というか損得勘定が苦手な人が多いなって。損得勘定がうまくできるから効率良く何でもできるんですよね。例えばパチンコ一日中朝から並んでそれでお金すって来ましたみたいな。もちろん娯楽としてだったら良いんですけれど、以外と稼ごうとしてる人が多いんですよね。
それってどれだけ効率悪い仕事だよって言う感じですよね。負けるリスクも全て背負ってですよ。何となく、楽しいから、快感だからって
だからもう少し、学生のうちから自分にとって何が得で何が損かみたいな事を先を打算的に考えれば勉強も苦じゃなくなるんじゃないかなと思うんですね。

勉強って大変だし、つらいじゃないっすか。みんな遊びたいっすよね。遊びたいし、わざわざそれを犠牲にして塾になんていきたくないよねっていう。でも損得で考えれば良い大学にいくチャンスが増えるよね。例えば英語ができる事がどれだけ自分の人生に対してアドバンテージになるのかとかを考えてみたら良いですね。読めない人と比べてみればその差は歴然ですよ。じゃあしゃべれたらどう?どこにだっていけるじゃない。でもそこがイメージできないから「受験で合格する」っていう理由を充てちゃうとすごい大変だと思うんですよ。それを目標にするとその先がない。

そうですよね。終わったと思ったらまた3年後に就職活動かよって言う流れになりますよね。

そうそう。そうするとあの時の勉強って何だったんだろうって思っちゃいますよ。

 

価値があるかどうかは自発的に考える

英語とかが受験だけでなく、それが今後にどれだけ価値あるものになるのかが、しっかりと理解できるのならもっと学習意欲が高くなるのではないかなぁ。で、そこはだれかに教わるのを待つのではなく、自発的に考えるべきだと思うんですよ。

僕は家族に対しても、社員に対しても、もちろん僕自身に対しても「好きな事をやろう」って言ってます。
僕の娘は料理好きなんですよ。で、じゃあなんで好きになったのかっていったら僕が好きでやっているからなんですよね。でもそれだけじゃすきになれなくて、実際にやってみてそれがほめられてってなるから好きになるんですよね。

だから親としての僕の役割はどれだけそれが楽しいか、気持ちいいかを教える事なんですよね。その上に将来こんな良いメリットがあるんだよっていうのがくると思うんです。
それさえあれば勝手にその力は伸びてくると思うんです。

今年の目標は「数字に強くなる」なんですけれど、それは色々会社の決算書とかも見なきゃいけなくて、やらなきゃいけないからなんですよね。でも勉強ってそれで医院じゃないかって思っています。必要だからやるって。そんなもんじゃないですかね。
1番は「好きな事をやる」
2番は「基本くらいはおさえておく」
それで最後3番は「苦手な事は必要になってからやる」

基本をおさえた上で好きな事をやって一丁前になれば苦手なやらなきゃいけない事をやる時がくると思うんです。でも基礎があるからに応用がかなり効くと思います。
覚えなきゃ死ぬって言う状況だったら覚えるじゃないですか。人って。

僕がアメリカで仕事しなきゃってなったら死ぬほど勉強すると思うし、多分できるようになると思うんですよ。

良いですね。そういう感覚を持っている人って。

必要ないから今はやっていないけれど、必要があれば、やり方知っているから大丈夫みたいなかんじですね。でもそれをやる時に「ああ、これ中学の時にやったなぁ」と思えるかどうかは吸収力にめちゃくちゃ影響しますよね。0からやると本当に大変ですからね。

こんなんで参考になりましたか?

はい、貴重な時間を割いてインタビューに対応して頂きありがとうありがとうございます。

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